だって世の中だもの

セーラームーンの感想のみ

#46 うさぎの想いは永遠に!新しき転生

一人残されたうさぎが、それでも未来を信じて命を投げ出した結果、先週絶望させられた視聴者に仰天の未来が訪れる。なにこのラスト。制作側に感謝しかありません。
第34話のうさぎの走馬灯の衛版を希望してたら、今週出てきました。

このブログはMXでの再放送を見てから書いていますが、この日の番組表には「終」の文字が。だな、放送開始30周年記念で、セーラームーンミュージアムのタイアップで放送したんだろうし、31周年になる前に店じまいでしょう。ということは、続きはDVDなりネットなりで観るとして、半リアルタイム視聴は今週が人生で最後です。18時29分からテレビの前で正座して(一部誇張)待機。

MX 2023年2月15日再放送(放送開始30周年記念)

  • 尺がもったいないので、クインベリル様の方からセーラームーンを迎え入れ。そこでセーラームーンが見るのは、ひざまずいてクインベリル様の手に唇を寄せるエンディミオンNTRできたぞ。
  • クインベリル様の命令でセーラームーンを殺しにかかるエンディミオン。倒れたセーラームーンを蹴り転がす。寝ている間は攻撃しないお約束を無視した残酷な描写。画面を直視できません。
  • お前らがしてきたことは無駄だったのだと、無駄にセーラームーンを挑発するクインベリル様。4人の死を無駄呼ばわりされ、セーラームーンのティアラが光ると、ムーンティアラアクションがエンディミオンの土手っ腹に命中。やっちまった!
    しかし暗黒のエナジーのおかげで丈夫な彼はその程度ではくたばらない。よかったのか?
  • もうこれ以上彼を傷つけたくない。もうやめてと懇願するセーラームーンの手には、一度は彼に贈ったヒトデ型オルゴールが。さっきまでエンディミオンの瞳が点だったのが若干大きくなります。細かい。
  • 思わずひるんだエンディミオンがオルゴールに手を伸ばすと、体が光に包まれる。いい人が悪の組織の誘惑に負けて悪堕ちするシーンみたいですが、逆です。
  • エンディミオンの脳裏に走馬灯が流れる。
    月のバルコニーに立つセレニティを見上げるエンディミオン
    最初の出会いでうさぎにベーされる衛。うさぎの胸にはなぜかブローチが。記憶が錯綜しているのか?
    タキシード仮面が初めて既視感を抱いたイヴァノビッチ王国の王女を、空中で抱き留めるシーン。王女の唇を奪おうとするタキシード仮面。ん? ということは、あの王女がうさぎだって気づいたか!?
  • 崩れ落ちる彼を抱き留め、セーラームーンが「衛さん」と呼び掛ける。「うさぎ……ありがとう」と応える衛。衛としての意識を持った彼に名前を呼びかけるのは、初めてです。初めて、それを衛の心に届けることができました。
  • そんないちゃいちゃ見せられて、クインベリル様が黙っているはずもなく、ごんぶとのクリスタルランスをセーラームーンにお見舞い。衛がバラで打ち砕くものの、クインベリルと相討ち。
    ゾイサイトからセーラームーンをかばったのがきっかけで最終回まで操られっぱなしで、やっと元に戻ったと思ったら、同じパターンで非業の最期です。そうまでして守りたい人がそこにいるのです。
  • 「早くここから逃げろ。そして普通の女の子に戻って、かっこいい彼氏でも見つけろ」
    「衛さんが、一番カッコいい。」
    なにも憚らないうさぎ。一度ならず二度までも身を盾にして守ってくれた衛。タキシード仮面でもエンディミオンでもなく、衛がカッコいい。きっと1話目から好きだった男がです。
  • バラで深手を負ったクインベリル様は、逆転の切り札・クインメタリアに憑りつかれる。なるほど、あと15分でボス2体はセーラームーンでもきついだろうと思っていましたが、こいつは手間が省けた。
  • 衛の亡骸に口づけしようとして思いとどまるうさぎ。自分一人だけ幸せには浸れない。まだやることがあるからと、衛を残して歩き出します。幸せ妄想BGMが流れる中で洞穴が崩れゆく演出が切ない。
  • 幸せ妄想BGMと書きましたが、うさぎが妄想するときに流れるBGMは、ここで流れたピアノの曲と、またの名をミッドナイトゼロとも呼ばれるサックスの曲と、変装うさぎにタキシード仮面がキスしたときなどのストリングの曲と3曲ありますが、このピアノの曲がうさぎの妄想に使われたのは、意外にも第3話の1回だけです(個人調べ)。
    もうすっかりそのイメージだったので、こういう真面目なところで流されると、いつもふざけたイメージが頭をよぎるのを消しながら見てます。
  • ていうかさらっと書いてしまいましたが、キスしようとしてる! なんかいろんな感情が交錯しますが、そんな素直になれたのがこのときというのがこれも切ない。
  • 巨大化したクインベリル様の前に現れる一人の影。BGMは変身テーマ。
    戦いの場面でこの曲が使われるというのは、初期の第6話までは毎週そうだったのですが、その後は、第35話や第44話でクンツァイトと対決したときなど、ヒロイン・セーラームーンを強調するときに使われる傾向のようです。ここもその流れ。この、力強くアクティブでコーラスがおしゃれな曲こそがセーラームーンだというメッセージです。
  • 銀水晶の力を解放してはダメと叫ぶルナ。そうしたらあなたは死んじゃうのよと。やっぱりそういう超新星スーパーノヴァだったんだあれ。あんなに使命を言い聞かせてきたルナが、使命に殉じようとするうさぎを止めようとしています。
  • そのうさぎ、衛に約束したやることをやります。悲しみを悲しみで終わらせず希望につなげるために、自らが大切な人(含猫)を悲しませなければなりません。これが使命で、これを自覚と呼ぶのなら、残酷な運命です。
  • 第10話の亜美ちゃん、出展不明のレイちゃん、第29話のまこちゃん、第42話の美奈子ちゃんがうさぎの心に浮かぶ。レイちゃんは別格ってこと?
    それぞれ、元とセリフが少しずつ違うし、場面も違います。アムロの回想のランバ・ラルとかでも見られる、思い出の中の大切な人たちという演出がにくい。
  • 4人の姿とともにクインベリルを吹き飛ばし、みんなに感謝をささげて事切れるセーラームーン
    「(前略)部屋の鳩時計が7時を告げて、いつまでも寝てると遅刻するわよって(中略)ちょっとしたことが、楽しくてうれしい。……そんな……そんな普通の生活に戻りたい。戻りたい……」
    と、うさぎのモノローグに乗せて、爆心から広がる光が、一人一人を包み込んでゆく。
    その光はナッパ様のクンなんか比較にならぬほど輝き、闇に包まれていた東京に月夜が戻る。これぞ惑星一つ吹き飛ばせる幻の銀水晶の力。
  • この平和な東京には猫以外誰もいません。ただ幸せな人生を望まれてこの地球に転生した6人は、世界の幸せと引き換えにいなくなってしまいました。
  • いつか聞いた、起きそうにないピヨピヨ目覚ましの音に起こされたうさぎが、ちこくちこく言いながら家を飛び出す。生きてる。動いてる!
  • 全力ダッシュのうさぎを、これまた遅刻したのかまこちゃんが抜き去る。さっきのうさぎのモノローグの前半を絵にしたような光景。なぜかお互いに声をかけません。
  • 屋根の上には傷のいえた猫2匹。
    「奇跡だ。太陽の黒点が消えただけでなく、みんなも転生するなんて」
    「でも、少しかわいそう。みんな仲間だったころの記憶まで、すっかりなくしちゃって」
    おじゃまユーレイくんオチか!!! あとウイングマン。昔のマイナーまんがを持ち出して訳知り顔しても寒いだけですが、ほんとに、転生というのが具体的にどうなるのか、知らなかったのですよ。そう来たか。
    たしかに生まれ変わったら生前の記憶はなくすというのが普通ですが、生まれ変わって記憶を失い、元の日常に帰る姿をパートナーが遠くから見届ける、と言われて、最初に浮かんだのがこいつらだったんだから仕方ない。
  • 面白いのは、生き返りではなく転生であるにも関わらず、別人として人生一からやり直しではなくて、同じ姿で途中までの記憶を持った人に魂が宿ったという形です。
    なんだかスワンプマンみたいですが、さらに考えてみると、この「同じ姿」の肉体はいったいどこから授かったのか。もしも、亡くなった人たちの肉体が甦ったのであれば、自分で自分に転生したことになります。「新しき転生」というのは、ここらへんが新しいということでしょうか。
  • 巫女さんが掃除する火川神社の前を、他校の生徒が待つバス停の向かいの歩道を、遅刻少女は駆け抜けてゆく。
    「大丈夫」「え」「みんなこれから、また巡り合えばいいんだ」
  • 実際、話は続くのでそうなるべくしてなっていくのでしょうが、ここからどうなるんでしょうか。転生の実態に驚かされたところなので、想像もつきません。この番組のことだから、まったく無視して普通に続ける可能性も捨てきれないぞ。たぶん、遅刻少女の胸にブローチがくっついたままなのがポイント。使いまわしのカットは除く。
  • 模試の成績表の上位を見る遅刻少女と友達が、別の生徒が通りかかるのを複雑な表情で見送る。かつての冷たい表情には見えないけれど、もともとそのくらいの穏和な表情はしていたのかもしれません。そしてこんな最終回のラスト近くでも、モブで遊ぶのを忘れていないスタッフ。
  • 遅刻少女が30点の答案を丸めて投げると、グラサンの男に命中。お団子頭と的確なネーミングをする男。あっかんべーして去るお団子頭。なんだかさっき誰かの回想で見たことのあるカットだな。既視感かな。たしか「普通の女の子に戻って、かっこいい彼氏でも見つけろ」とか言ってたあたりです。
  • 「おかしな子だな」というは男のほうで、お団子頭は一人ではなく友達と一緒。友達が第3話のセリフを先取りしつつ、「案外、運命の出会いだったりして」。ポアンカレの回帰定理によれば、世界は最初の状態にいくらでも近い状態に何度でも戻って来るそうです、って絶対だれか言ってそう。
  • あんなイヤミなアイツと運命だとはまっぴらごめんのお団子頭。
    「あたしにはちゃんと夢があるんだから」
    「夢?」
    「そう。どんなときでもあたしを助けてくれる、カッコいい彼氏を見つけるって、夢よ」
    夢見るおだんごアタマで物語はひとまず幕を閉じます。
  • そこで疑問。猫たちは、彼女らが記憶を失ってしまっていたことをどのように知ったのか。「転生した」と語っていることから、彼女らが一度命を落としたことはどこかで悟っています。その後、何事もなかったかのごとく朝起きて学校に向かう彼女らを見て驚くでしょう。だから、まずは普通に話しかけるはず。もしそうなら、彼女たちみんな同じリアクションをしたわけですね。「猫がしゃべった」って。

これで、4月からおそらく地球でただ一人いまさらの半リアルタイム視聴は終了しました。30年前にやっておきたかった。この世界にこんなに面白いアニメ番組があるというのを、30年も知らずに生きてしまいました。過去の自分にメガトンパンチです。やっと覚えたエンディングテーマともお別れします。

 

 

 

 

 

 

!!

次回予告だと!? 無印だけで終了じゃねえのかよ。

これ見ろよ。

[終]美少女戦士セーラームーン【放送開始30周年記念】 #46 
#46「うさぎの想いは永遠に、新たなる転生」

次週の番組表を確認。

[新]美少女戦士セーラームーンR【放送開始30周年記念】 #1
#1「ムーン復活! 謎のエイリアン出現」

転生しやがった……。

そして結局、変わらないふざけたルナの予告を見ても、彼女らがどのように記憶を取り戻していくのか、ぜんぜんわかりません。次週がこんなに待ち遠しいのは、ナッパ様を前にしたピッコロが「く……くるぞ……」とつぶやいたとき以来です。当時読んでた人にだけ伝わってください。