だって世の中だもの

セーラームーンの感想のみ

#74 ルベウスを倒せ!宇宙空間の決戦

今週のうさぎは、どんなに振り回されてもちびうさは守ること、大切な4人を必ず助け出すこと、これ以上自分のために犠牲が出ないよう、周りを巻き込まないこと。どれもこれも優しさです。その優しさが、うさぎを少しずつ大人にしているのかもしれません。

(1)TVK 2022年6月4日再放送
(2)MX 2023年9月6日再放送(放送開始30周年記念)

  • 珍しく先週からの続きなので、アバンタイトルがいつもの曲ではなく、内容も前回のあらすじ。
  • その前回のラストは、うさぎ達の前でルベウスが笑っているところでしたが、今週はうさぎ達は建物の影に隠れていたことにして再開。3時間後の午前3時までに出てこいと。ずいぶんせわしないですが、明日からエスメロードに交代なので、早くしないと。
  • エースキラー状態の4戦士。
  • いつの間にか衛の正体も知っているちびうさ。「あたし、もうびっくりしない。だって、あのうさぎがセーラームーンだったんだもの」。余程の衝撃だったらしいですw
  • (2)衛が真剣にちびうさから事情を聞こうとするも、「ママを助けるためには銀水晶が必要なの」「ほんとにわかんないんだもん。いきなりあいつらが現れて……」だけ。15話ほどやってきて、戦士たち最大のピンチを迎えるも、物語はまだ序章に過ぎない。
  • (2)テレビがルベウスのUFOを報道。第13話のジェダイトもニュースになってましたが、ちゃんと日常社会に組み込まれてるのがいいです。会話からして放送の時刻は午前2時半。臨時ニュースになるほどの騒ぎらしい。
  • 「あたし、もうだめ。いくらちびうさが敵に狙われてるからって、もうあんな子、守ってあげることなんかできないよ」。正気を保とうと弱音を吐くうさぎ。素は中2。
  • (2)前々からですが、銀水晶を奪いに来たとわかっているちびうさをあえて自宅において、なし崩しに家族同然になって、第68話で狙われいていることを知ってからは深刻な顔を見せるようになったうさぎ。冷静になるとそこまでする義理はない。でもうさぎは人情の人。
  • (2)「うさぎ! あんた本気でそんなこと言ってるの?」久々のルナのうさぎ呼び捨て。第3話とか第16話とか第35話とか、うさぎが戦士の使命を放棄するような言動を見せると出てきます。
  • 「本気なわけないじゃない。ただ、こんな状況でも強くいられるほど、あたし大人じゃないよ」。でも、それを客観視しています。うさぎらしからず大人で気丈。
  • (2)そういえば第35話でもレイちゃんに似たようなこと言ってたし。
  • これ以上ちびうさたちを巻き込むまいと一人で向かうことにするうさぎ。猫2匹ががんばってボケてるのに、うさぎが思い詰めると一気に番組全体が沈む。この子の存在感がわかります。
    「……昔のあたしだったら、今ごろ、眠いよー、怖いよー、あたし一人で行くなんてやーだー、なんて、平気で言えたのに」。視聴者が期待しているリアクションは本人の中で過去になり、視聴者もまたそれを受け入れなくてはなりません。
  • (2)こっそり一人で部屋を出るうさぎ。「玄関が開けっ放しだぞ! うさこはいるか?」こいつ第53話のベビーシッターのときも開けっぱだったろ。クセだなw
  • (ごめんね、まもちゃん、ルナ、アルテミス。あたし、これ以上誰も巻き込みたくないの。今回は、あたしだけが行くわ)。しゃべり方も声もいつもと全然違う。さっきの衛の部屋やベランダでの思いつめた表情といい、ここ何話ともまた違って、いつの間にか変わっていくうさぎがいます。
  • (2)ついてくるちびうさ。こっちもこっちで、いかにワガママ勝手でも、優しくしてくれたお姉さんたちを邪険にしたら連れ去られて、うさぎ一人に背負わせて、さすがに堪えた様子。
  • ちびうさと一緒にUFOに連れ込まれてルベウスと戦うセーラームーン。BGMなしでムーンプリンセスハレーション。SEのみのバンクが見られます。いかにも嫌な予感のする演出。
  • (2)「へっへーんだ、だまされたわね、この子はラビットなんかじゃないわよ、あたしのいとこのちびうさちゃんよ」。あぐらをかいてとっさに口から出まかせ。いざそのときが来たら居直って精一杯強がり。一連のアクションが、同じ作画監督の第43、66話みたい。
  • ギャグ顔でルベウスに「いいわよ」と勝負を買って、ちびうさに優しく「さ、ちびうさ、あんたは、どこか安全な場所に行ってなさい」。みんなうすうす思ってはいましたが、ここまで全部ちびうさがそうさせてるんだと、ここにきてはっきり描かれて、すべてが腑に落ちます。
  • 窓の外に地球。「気づいたか。そう、外は地上数万メートルの宇宙空間だ。もう貴様らに逃げ場はない」。高そうに聞こえますが、数万メートルというのは成層圏(旅客機のちょい上)です。地球の見え方から国際宇宙ステーション並だとすると、高度数百キロメートルはあるっぽい。
  • (2)「ち、ちびうさがあんなに頑張ってるのに、あ、あたしが、この、セーラームーンのあたしが、負けるわけにはいかないのよ!」重力を振り切り、悲壮な声でみんなのために立ち上がるセーラームーン。と、ここで一歩間違えると「足をガクガクいわすセーラームーン」というマニアックな視聴者サービスに見えます。変態か。
  • 二度目のムーンプリンセスハレーションを押し返すルベウス。魔女っ子丸出しのおしゃれな光線で遊びなしの黒い波動に立ち向かうのが、それこそ魔女っ子物の最終回のようなシリアスを醸します。
  • ちびうさを消そうとするルベウスの背後から、画面外に消えたセーラームーンが三度ムーンプリンセスハレーション。バンクなしで声だけ。お約束を省くことで泥臭く這い上がる姿を描くという、こういう演出大好きです。
  • (2)ここのBGM。劣勢から甦るヒロイン、躍動するちびうさを活写しています。華麗で力強く、とても勇気の出る曲。第33話のヴィーナス初登場とか、第49話の月影の騎士初登場とか、大切な場面で使われる曲です。本当にこの番組のサントラは素敵。
  • ちびうさの活躍で、ルベウスのおしおき完了。そういえば、今週はアバンタイトルでも本編でも「おしおきよ」と言いませんでした。あまりに真剣過ぎるとやり忘れるのかも知れません。
  • UFOの爆発が確定して、全員道連れにしようと悪態をついてる最中に炎に巻かれるルベウス。その姿を見て「ル、ルベウス!」と身を案じるように叫ぶセーラームーン。ついさっき「どうしてもあなたを許すことはできない!」と怒り心頭だったのに、おしおきが終わったら切り替え早いなあ。ここにもまた一つの優しさが。
  • (2)それにしてもルベウス、人質をなんにも使ってない。
  • エスメロードが、見捨てるためだけに顔見せ。見捨てる人は見捨てられるという役回りのルベウス。ああ、みんながテレポートで逃げるのよりこっちの順番が先だったら、慈悲深いセーラームーンが助けてくれたのに。そしたらこいつが全裸で回転したのに。
  • みんなが無事戻ってきたら、またケロッと元のノリに戻って、視聴者の心も浄化。浄化されそこなったのが一人爆死してますが、よかったよかった。
  • (2)プリンス・デマンドとやら、初顔見せです。