だって世の中だもの

セーラームーンの感想のみ

#32 海野の決心!なるちゃんは僕が守る

奥手なのに思い込みが激しい海野とくっつけたがりのうさぎ。この二人、どういう付き合い方をしてきたらこういう親密さになるんだろう。なるちゃん愛の劇場完結編で、海野となるちゃん、うさぎ3人によるセーラームーンの、おそらく最終回。

ぐりなる二人とも中3週は初めて。ネフライトの件以降は二人の関係だけでしか登場してません。セーラー戦士が増え、銀水晶やオルゴールなどが軸になるにつれ、月野家や学校が物語の舞台から外されつつあるのがわかります。

※長いです。

MX 2022年11月9日再放送(放送開始30周年記念)

  • ルナの暗号合言葉、第14話以来3度目の披露。
  • セーラー戦士が5人そろうのも近い」。ルナはセーラー戦士がもう一人いることを知ってるみたい。気になるのは、セーラーVはどう認識してるのか。視聴者も、コミック等を読んでないとこの辺は知らないはずです。
  • ルナが月から来たと明かして驚く4人。ルナを信じる亜美ちゃん。正直、猫がしゃべってる時点で、月から来たくらい大したことない気はします。
  • 忘れがちなプリンセス探し。プリンセスは月の王国の血を引いている。たしかに月のプリンって言ってたし。ルナはみんなを目覚めさせるために地球に来た。みんなは目覚めたらプリンセスを守らなければならない。いよいよ物語が動き出してきました。
  • 「あなたたちは必ず、プリンセスに出会えるはずなの」。運命を信じて伝えるルナ。何気なさそうでとても抒情的な一言です。ルナ得意の訴えかけるようなしゃべり方がそうさせているかもしれません。
  • クンツァイトといちゃつくゾイサイト。のんきにクインベリル様にヤキモチ焼いてますが、最強妖魔保護は7戦全敗、虹水晶は4勝3敗。名誉を挽回する機会はもうわずかしか残されていないぞ!
  • エビフライとピーマンをとりかえっこするぐりなる。以前からはこんなことしてないでしょう。前回出番の第28話では、海野の態度になるちゃんはまだピンと来てませんでした。ここまでに何があったんだろう。
  • 「燃え上がるものがないのよね」。海野になにか期待するようななるちゃん。前の相手が燃え過ぎたからな。人間、一度感情をたかぶらせないと恋は芽生えません。「人は判断力の欠如で結婚する」って言うし。
  • 現状に甘んじる海野を見て、放課後の教室にうさぎが海野を呼びつけて二人きり。なんだと。放課後の教室で二人きりだと。うさぎと海野が放課後の教室で二人きりだと? うわーお。
  • 海野を相手しているうさぎはの独特です。進悟に接するときと似てるかもしれません。そう考えると、うさぎにとって海野とはなんなのかわかるような気がします。
  • 「プッシュよプッシュ」。プッシュプッシュは小錦(放送当時大関)ですが、流行ったのは84年ごろなので、定着してるのがわかります。『THE MOMOTAROH』の1話目とか読んでみよう。
  • 海野にこんな世話を焼くのは、海野を心配したのかなるちゃんを心配したのかわかりませんが、基本的に単なるくっつけたがりだと思います。劇中4人目の被害者になります。優しいんです。
  • 恋愛経験豊富(経歴詐称)なうさぎのレクチャー。カッコいい男の子に変身する。ただの面食い。だから海野に無反応なんだな。海野がメガネ外したところも見たことがあるってことです。
  • カッコいい男の子の例は当然タキシード仮面。うさぎが例示するタキシード仮面の背景が、番組史上見たことのないすごいやつです。
  • タキシード仮面になると言い出す海野。思い込みが激しいという設定は第2話から変わってません。腕組みして傍観するうさぎの悪そうな笑みが悪い予感しかしない。
  • さっそくタキシード海野仮面参上。一度思い込んだらタキシード衣装の調達くらいちょろいもんです。こんな人普通縁切りものですが、なるちゃんは変なのを見慣れているせいか平気です。
  • 道草しようとするなるうさに、自分を踏み越えて行けと寝る海野仮面。踏んづけていく二人。できることなら代わってやりたい。代わってください。それにしても二人とも笑顔でストンピングしてますよ? うさぎなんか上で足踏みしてます。SとSとMじゃねえか。こりゃこの3人仲がいいわけです。
  • 「タダ券があるんだけど、二人で行かないかい?」という元基おにいさんにキラキラ目のうさぎ。第29話みたいなことがあっても、元基おにいさん愛は変わりません。テールで作るハートがかわいい。
  • タダ券→レッドマンショー。二人→なるうさ。ヒーローショーのチケットを中2女子にあげる元基。第29話でまこちゃんとうさぎを「まさか、中学生相手に」「妹」と言ってたあたりからも、元基にとって中学生はお子様扱いらしいです。
  • なるちゃんに海野とタダ券デートを持ちかけるうさぎ。背景にある「もぐらたたき」は、有名な『おかし大作戦』(ナムコ/1981年)。
  • 気が進まないなるちゃんにいじける海野がいじってるゲーム台に「STREET FIGHTER」。初代(カプコン/1987年)は専用アップライト筐体もありました。
  • しぶしぶデートをOKするなるちゃん。こんなタキシードの変質者とデートとか、いくら大の仲良しで意識しかけてるとはいえ普通は断りますけど、もしかしたらこの子、破滅願望を持ってませんか? 自分で飛びこむ勇気はないんだけど、人に突き落とされるのを待ち望んでるやつ。絶対あとで「ほんとはイヤだったんだけど、あんたがかわいそうだったからさ」とか安いツンデレみたいなこと言うぞ。
  • なるちゃんの「行けばいいんでしょ」の口調が、第17話の「だったら脱いだら」と同じイントネーション。たまに出るこれが好きです。
  • セーラーV2のポスター。「あのセーラーVが帰って来た!」セーラーVゲームは稼働終了したようです。3週前までは稼働が確認できてたのに。
  • 喜ぶ海野の左手が、1コマだけ手袋から素手になっています。
  • 黒水晶を改良して、人間を妖魔に変えられるようにするゾイサイトセーラームーンにムーンヒーリングエスカレーションを使う機会を作ってあげるとは親切な人だ。
  • なるちゃんを妖魔にしようとOSA.Pを訪れるゾイサイト。なぜかいる海野仮面をタキシード仮面と間違えて帰る。ふだん卑怯な割には紳士的。そういえばなるちゃんの存在とかなるちゃん家とか、いつ知ったんだ? と思ったんですが、ネフライト関連で知る機会がありました。
  • 海野仮面、当日の集合時間を決めにわざわざ深夜に来たらしい。あきれてドアを閉めて引っ込むなるちゃん。そのドアに背を向けて会話はしてます。時間を決めたら無慈悲に消灯。なるちゃんの微妙な心境が面白い。

  • 当日。うさぎも遊園地に潜入。おせっかい焼きのくっつけたがりに加えて野次馬。私服がおニュー。スカートの丈がちょっとドキドキします。ルーズソックスもポイント。高校生がコギャルになったのがこの年くらいです。
  • 園内の看板、「トラブルコース」も気になりますが、「ムーリドハウス」があります。ムーリドは第11話の妖魔の名前です。ということはここは夢ランド? あの妖魔更生したんか。
  • なるちゃんもおニュー。うさぎともども男が絡むとこれです。
  • バッグを落としたなるちゃんが身をかがめた上をゾイサイトの光弾が通過。ラッキーマンはこの本放送の翌年連載開始だ、まだ早い。
  • 光弾がレッドマンに当たって妖魔アカンが誕生。失敗したゾイサイトがしれっと「あかん」。レッドマン→赤→アカン→あかん→大阪弁なのはまあいいとして、アカン→阿寒湖→まりもとか素敵すぎ。
  • これ、予定通りなるちゃんに命中したらなにが誕生していたんでしょう。
  • 観客にまりもがヒット。まりもから手足と顔だけ出してる絵、第14話のテニスボールを思い出します。冒頭の暗号合言葉も第14話以来。第14話といえば、今週と作画監督が同じです。なにか関係あるのか?
  • 前半に引き続き思い込みの激しさで、なるちゃんのカッコいい男の子になりきって立ち向かい、立ち上がる海野仮面。思えば第7話のシンデレラキャラバンで、周囲が次々に倒れる中でも粘って立ってたし、心の力は強い様子。倒れるときも第7話のように立ち続けようとしてぶっ倒れてます。
  • 今週の視聴者サービス: まりもなるちゃん。悲壮なBGMに鳴り響くもこもこ音w
  • セーラームーンがセットの崖の上から見参。着地のカットがえっち。変身してから時間がかかりましたが、登ってたようです。変身した時点でなるちゃんはまだ無事でしたから、この子、海野が叩きのめされてる分にはそんなに慌てないらしいです。ひどいw
  • 特別天然記念物のまりもを武器にするなんて、北海道の観光協会のみなさんが、許可を出していないっしょ!」許可出したらいいのかよ。まりもが特別天然記念物で北海道にいるということをセーラームーンが知っているというのが今週のハイライト。ハイドンとかりんご台風とか変な知識はあるのです。
  • なるちゃんがやられたからか、「セーラー服美少女戦士」の「戦っ士」に気合が入る。海野のときと扱いが違います。
  • まりもを人質にして虹水晶を要求するゾイサイトに、割とあっさりブツを差し出すセーラームーン。脅したゾイサイトもびっくり。優しい子ですから。胸元から取り出すのがちょっと大人っぽい。
  • 「わ、わかったわ」の、シリアスになりきれてないしぐさからの「はい」の表情。なるちゃんたちのために従順に徹する感情が伝わります。もしかしたらこの子、悪者次第で結構簡単に堕ちるかも知れんぞ(変態)。
  • 本家タキシード仮面を、まりもの中のなるちゃんが海野仮面と誤認。背格好がずいぶん違いますが、きっとなるちゃんは「海野がそう見えるように錯覚してるんだ」と錯覚したんでしょう。
  • 第27話以来久々に、フルモーションでムーンティアラアクション。今週は誰も来てくれないので全部自分でやります。キャッチして再装着まで披露。「ちょっとだけよ」は当時すでに古典だった加藤茶のネタ。
  • リフレッシュまで終わって一息。知らぬ間の成長ぶりにご満悦のルナですが、目の前の虹水晶を無視してゾイサイトに回収される。よほど珍しいものを見てたらしい。
  • 「取り戻した虹水晶は私がいただく」と告げるタキシード仮面に驚くセーラームーン。第28話の鉄骨の上でその辺の話はしたんじゃなかったんでしたっけ。
  • さっきの使いまわしのレッドマンショーを見るぐりなる。間違い探しがあります。海野がタキシードのまま。特に気にしないなるちゃん。やばい、なるちゃんの判断力が欠如している!
  • 海野仮面が助けてくれたと思ってるなるちゃん。まりもの中からタキシード仮面の姿は見てましたが、セーラームーンは見えなかったようです。二人の第26話以来の対面も見てみたかったところですが、セーラームーンのことだから、そうなっても海野に花を持たせたでしょう。
  • そこまで考えたら、さっきセーラームーンが時間をかけて崖を上ってたのも、海野に見せ場を作らせるための時間稼ぎだったんでしょうか。こういうのはマメそうだからな。
  • 自分のためにカッコいい男の子を(途中までだったのに、結果的に最後まで)演じ続けた海野に感謝するなるちゃん。その心のスキを突いて、奥手の海野が「タキシード海野仮面と呼んでください」。思い込みなのか自信なのか。
  • 判断力が低下しているなるちゃん、とうとう「タキシード、海野仮面」。完落ちです。「、」のところ、残されたひとかけらの判断力との葛藤がすごい。
  • 結局、日常側の人間同士で話がまとまりました。なるちゃんは結果的によかったと思います。その男は十番中学でただ一人、うさぎの魅力に気づいていたやつです。たぶんいいやつです。気づいていたのは顔だけだという気もしますが。
  • しあわせなふ・た・りはほっといてそっとしておいて帰宅したと思われるうさぎ。虹水晶を奪われたことを叱るルナ。さっき自分が眼前で虹水晶を持っていかれたのはノーカウントです。無責任猫の面目躍如。
  • タキシード仮面の考えがわからんうさぎ。虹水晶の件は第28話でも聞いているわけですが、惚れた男が相手だと、言ってほしくないことを何回言われても納得できないのかもしれません。ウソよウソと言ってみたいな。
  • このシーンのパジャマ姿が今週のうさぎの4着目の衣装(神社で着てたやつ、制服、遊園地のときの、パジャマ)。たぶん番組史上最多です。
  • 今週はまこちゃんたち3人みんな半ドン。しかも神社でルナの話を聞いてたところしか出てません。今週ルナが出自を明かしたのは、次週以降への布石と共に、みんなの出番作りだったようです。
  • セーラームーンがほかのセーラー戦士抜きでがんばったのは、第17話で二人がすぐに捕まってしまったとき以来。ほかにタキシード仮面にお世話になった第14話があります。奇しくも暗号合言葉やテニスボール→まりもと同じ関係です。よくよく調べると、作画監督だけでなく脚本も同じ人でした。
  • そして美奈子ちゃんキター!! コミックでは神々しいくらい感動的な登場の仕方ですが、アニメではどうなんでしょうか。

  • まこちゃん登場から8話でジャッカー電撃隊終了。来週からゴーグルファイブです。ゴレンジャーではありません。彼女たちは平和の使者であり愛の戦士たちですから。
  • ちょっと残念なのが、まこ亜美、レイまこの話がなかったことです。とくにレイまこなんて何が起きるか見てみたいけどなあ。
  • こういうセーラームーン1人時代を思い出させるようなエピソードは、これが最後かもしれません。途中からそう思って見てました。もちろん4人がいないと困るけど、この初期パターンにも、匹敵する魅力があります。それは両方に出てくる人(動)物の魅力なんでしょう。