だって世の中だもの

セーラームーンの感想のみ

#47 ムーン復活!謎のエイリアン出現

第1話を覚えている人には懐かしくて新しい。今週から見た人にもうさぎの魅力がよくわかる。使命だ自覚だ運命だとやかましいルナが、うさぎを戦いに引き戻すのに躊躇するというつらい運命。切ないラストなのに、ほんの何秒かしかないのはなんででしょう。

MX 2023年2月22日再放送(放送開始30周年記念)

  • アバンタイトルが例の「あたし月野うさぎ」から。古参視聴者サービス。「なにがなんだか頭がオットセイ」って初めて聞いた。
  • タイトルが変わったのでオープニング映像も変更。曲は当然変わらない。無印の前期みたいに、うさぎとセーラームーンの二面性と、4人と2匹の仲間たちというテーマに戻した模様。うさぎとセーラームーンがガラスを挟んでいるところがきれいです。
  • のっけから、忘れもしない第37話と同じ「!!」の絵。ただし桜が咲いて猫がいます。そして、月野家の朝食のテーマ曲?に乗って食パンくわえてちこくちこく言いながら出てくるうさぎ。もろオマージュです。かつ、今週から見ても全然大丈夫という親切設計。
  • 第一、第37話自体が初期ノリへのオマージュみたいな回でしたから、本当の初期じゃなくてこっちから持ってくるというところにこだわりを感じます。
  • 新しさを入れたかったのか、ルナに言い寄るアルテミス。いままでそんな兆候なかったぞ?
  • 立たされるうさぎ。改題したので罰もグレードアップして頭にバケツ。手がふさがっているので、これなら魔技・立たされ早弁も使えまい。追加サントラからの曲が初お目見えです。
  • 通りかかった5組の天才少女が涙を拭いてくれる。かつての初登場時は人付き合いが悪そうなイメージでしたが、記憶を失った状態でこれというのは、もともとそんなでもなかったんでしょうか。
  • 「冷酷人間の春だにあなたの爪の垢を煎じて飲ませてあげたいわ」といううさぎの「あげたい」くらいでドアを開けて出てくる春奈先生。早弁が悪口に変わっただけで、第1話といっしょ。徹底してます。
  • うさぎが春奈先生にバケツの水をぶっかけたのを見る、お口あんぐり水野さん。あんまりこのリアクションはしません。過去にしているのは、第16話で白無垢のレイちゃんがぶつかってくるところ。
  • 寝ているうさぎの上でルナも寝てる。あれ? つまりルナと出会う前の状態のうさぎにうまいこと飼われたってことですか。てことは、進悟の猫嫌いがセーラームーンの言いつけで克服されたっていうやつはリセットされてないんですね。なかなかややこしいぞ。
  • 宇宙から巨大なキャベツが飛来して、スーパーの駐車場に大穴を開ける。十番街みたいな東京のど真ん中に、平地の駐車場を確保できるスーパーは珍しいような気もしますが、さすがに十番中の校庭とかに落とすわけにもいかないので、こうするしかないですね。
  • もぞもぞ動くキャベツ。宙に浮いて飛び去るキャベツ。軽くホラーです。昔嘉門達夫の『あったらコワイセレナーデ』に「もぞもぞ動くタラコ」というのがありましたが、きっとこんな感じなんだろう。
  • 集まった野次馬。巫女さんと赤リボンの子も三々五々来てます。アルテミスはやっぱり赤リボンに飼われているんでしょうか?
  • 水野さんも来てます。「月野……さん」とうさぎに声をかける。こんなところで頑張って呼びかけるというのは、この子のほうから仲良くなりたいみたいです。かつては友達いなさそうな彼女にルナうさがちょっかい出したのがきっかけでしたが、もともとこの子も友達欲しかったんだろうな。
  • ていうか、水野さんは野次馬するのにおしゃれしすぎだと思います。
  • 転校して来たばかりの怪力少女も来てます。こちらは後ろから押されてうさぎに遭遇。「怪力だけ余計だよ」と怒る彼女に、うさぎの引きつり笑いというリアクションが新鮮です。
  • ばかり? てことは、先週うさぎを抜き去っていったときは、あれはまだ転校前の姿だったんか。転生したら通学先までリセットされてしまいました。そしてまた都合よく転校してくる。これはもう巡り合わせというほかありません。運命の導きからは逃れられないようです。
    このへんは、最初から見てきた視聴者にとっても、無印とは違う、もう一つの出会い方を追体験できるような感じになっています。
  • お菓子8割引のチラシを見つけたうさぎの背後から「お菓子ばっかり食べてると、体までお団子になっちゃうぞ」と懐かしい調べが。夜だからグラサンなしのグラサン男。あれから2か月間こんな感じみたいです。
    いやあ、あとでこの二人くっつくとわかっていても、やっぱりいいですね。こんなにからかい甲斐がある子ならからかいたくなるというもんだ。さらに言うと、からかわれ甲斐があってケンカ買ってるようにしか見えん。今週で見納めでしょうか。例のタンゴ調BGMではないのが不思議。
  • どうやら新しい敵らしいエイルとアンがお目見え。たぶんさっきのキャベツから出てきました。寄生獣みたいに天から降ってきただけあって、ミギー並に安直なネーミング。
  • 「英雄ペルセウスは、美しいアンドロメダに恋をし、彼女を守るために、命を懸けて怪物と戦ったという。私もペルセウスになりたい」。やたらと地球の神話に詳しいですが、その話、似たような男ならさっきお団子頭をからかって遊んでましたよ。
  • 二人は銀河星十郎と夏美で十番中学に編入。スタッフロールにも名前が出ないから、字がわからなくて検索してしまいました。星十郎の制服が終太郎ですが、すでに怪力少女を受け入れているだけあって、特に問題ないようです。
  • なぜかうさぎに目を付ける星十郎。知られている限りでは海野以来二人目です。センスいいな。
  • ところでその海野、第32話以来、なるちゃんと付き合い始めてからは初めての出番です。そして名前を呼び合う二人。今週は至る所、スタッフが記憶を無くしたんじゃないかというくらい、これまでのおさらいにあふれています。
  • 星十郎にヤキモチを焼きつつ、グラサン男にほいほいついていく夏美。その二人の横に停まっている車は、キッチンカーでしょうか。当時は、秋葉原ケバブ屋が目新しかったり。
  • 星十郎がうさぎに一目ぼれしただのなんだの、ベッドの上でしょうもない話をなるちゃんと延々続けるうさぎ。第24話では親機で話していましたが、今夜は子機を使用。そして、うさぎのベッドは頭が持ち上がっているということに、このカットで初めて気がつきました。いかに普段ボーっと見てるかだなあ。
  • 二人が借りているというかたぶん不法占拠している、十番オデュッセイアとかいう飛ばし過ぎな名前のマンションの一室。当時の言い方で言うとラベルが高いですね。しかもここには居住実態がなく、ダークキングダムに似た感じの宇宙空間の変な植物の中に住んでいます。バブルが弾けたあとなので、意外にそんな空き部屋もあったのかもしれません。
  • 「さすらうことの恍惚と不安がふたつ、我が心にあり」と詩をつぶやくエイル。恍惚と不安というと、フランスのヴェルレーヌという詩人が言ったのを太宰治が引いた言葉ですが、世代によっては、そっちよりメガネが引用したほうが先に浮かんでしまうので、うかつな使用は危険です。
  • ここまでで半分。今週の前半は、気合十分かつ力が抜けていて盛りだくさん。アイキャッチの曲は、Rの新曲かと思いきや、第12話で客船のデッキをバックに1回だけ使用されたことがあります。

  • CM明けアイキャッチ。入りのほうは、あわてないあわてないひと休みひと休みの感じで、明けは一転して、センスのいいベル?の入れ方と、ステージ感のあふれるティンパニの音で、他のことをしていた視聴者を一気に物語の世界に引き戻してくれます。
  • 後半はひたすらうさぎとなるちゃん。この辺も初期ノリ。
  • エイルとアンは、自分たちに不可欠な生命エナジーを求めて地球まで旅をしてきたそうです。まだいろいろ話はありそうですが、早い話が「うーん人間どものエナジーが欲しい」とか言ってたおばさんと一緒です。だったら話が早い。
  • エイルが手持ちのカードからカーディアンとやらを召喚。途中省略して通行人を襲っているところを、猫2匹が目撃。「どうする、みんなを甦らせるかい」と問いかけるアルテミス。できるの? じゃあ先週ルナが「かわいそう」とか言ってたときにやってあげればよかったじゃんか。
  • ルナ「そんなことできないわよ!! せっかく普通の女の子に戻ったのに…」。こっちはこっちで、先週はみんなが記憶を失ってかわいそうって言ってたんですが。
    もしかすると、戦いは終わったので、戦士としてのつらい記憶と使命からは解放させてあげて、出会った記憶は残してあげたかったのかもしれませんが、さすがにそこまで細かく記憶操作できないでしょう。このまま見守るか元に戻すか。
  • 今度はOSA.Pのそばで次の通行人が襲われるのをなるちゃんが部屋から目撃。なるちゃんのパジャマ、第24話と第43話でともにビリビリになってしまったあれとは異なる青いパジャマです。色以外のデザインは同じっぽいので、ユニクロみたいな店でカラバリを一式買い込んである模様です。
  • 悲鳴を聞いてきた猫2匹も、カーディアンを追ってなるちゃんの部屋へ。なるちゃんを襲うカーディアンをアルテミスは「妖魔」と叫び、ルナは「なんか違うみたい」。いや、第1話のころの妖魔にむしろ雰囲気は近いでしょう。ここ最近ボクシーとかオニワバンダナとかふざけた妖魔の見過ぎですよ。
  • 「……しかしよくエナジーを奪われる子だわよねえ」。メタギリギリの発言で視聴者を噴かしにくるルナ。だって付き合う友達を選ばないから……。そして久しぶりに、ルナの「だわよ」を拝聴。うれしい。
  • 電話の向こうで異変に気付いたうさぎがOSA.Pに駆け付ける。手元の計測では33秒で着きました。結構近いな。いやわからんぞ、長電話をママに怒られて、近所の公衆電話に移動していたのかもしれません。
  • なるちゃんの部屋のドアを開けるなり、なるママが気絶。オニワバンダナには耐えたママですが、こいつの原点回帰の姿は無理だった。このママ、たまの出番が気絶するところばっかりです。娘が付き合う友達を選ばないせいで、出番をもらって、すぐ退場という、いいんだかなんだか。
  • しかしこのカット、カーディアンが女性っぽいからまだいいですが、男性っぽかったら大問題かもしれません。
  • 耐えたうさぎ、「これは夢なのよ」と、なんだか北極で聞いたような現実逃避を口走る。その横で、足だけで画面に残り続けるなるママの役者魂が熱い。
  • 来たのはいいが、うさぎは今や戦士ではありません。ルナが身を案じて「逃げて! うさぎちゃん逃げるのよ!」と逃がそうとする。あれが来るぞ!
    「へべけーっ! なんでルナが口きいてんのーっ!?」
    よし。「ルナがしゃべった」そのままではありませんでしたが満足です。
  • 夢だから好き勝手しようとカーディアンの前に立ちはだかるうさぎ。うさぎが変身するときやセーラームーンが姿を現すときのあのSEが流れる。普段意識しないで聴いてますが、この音がこの番組で最重要かもしれません。抱く期待が半端ない。
  • 無意識におしおきポーズをとるうさぎ。何しろこのポーズ、第1話で自分でしかも即興で編み出したやつですから、記憶を失っても体が覚えているのです。しかも、口を突いて出た「おしおきしちゃうわよ」に懐かしさを感じる。番組を象徴するこのワードも、この子の創作です。
  • うさぎの普通の女の子としての人生と、みんなの犠牲を秤にかけたルナが、やむなくうさぎの記憶を呼び覚ます。見る前は、本人のほうから思い出すパターンかと予想していましたが、ルナのほうからでした。去年うさぎが味わった、勝手に選ばれた戦士の苦悩を、今度はルナが味わう番です。
  • つらい記憶と、戦いたくない思いと、込み込みですべてを取り戻すうさぎ。「ルナ、また二人でおしゃべりできるようになったのね」という表情が切ない。視聴者はこの子の去年1年間しか知りませんが、こんな表情やしゃべり方をするようになったのは、2か月前までの出来事を経験してからなんじゃないでしょうか。だとしたらやるせない。
  • 戦いたくはないけど、噛みしめるように変身。本人には悪いんですが、ああやっぱりこれだなあ。コミックのほうだと、ダークキングダムの最後でブローチが壊れて、銀水晶入れ兼用ブローチをもらって変身の言葉が新しくなりますが、こちらはいつ新しくなるんでしょうか。それまでにこのバンクはしっかり目に焼き付けておきましょう。
  • 新しい登場曲に乗せて、「手を放せ化け物! やっと普通のお嬢様に戻れたのに、よくも本人の許可もなく、戦場に呼び戻してくれたわね! この無神経さんが!」
    • 手を放せ化け物: 普段は「やめなさい」とかですが、今回はかなりお怒りのご様子。
    • やっと普通のお嬢様に戻れたのに: お嬢様?
    • よくも本人の許可もなく: 半分はルナに言っています。
    • 戦場に呼び戻してくれたわね: そう、うさぎにとってこれは、事件ではなく戦いです。
    • この無神経さんが: ここでいつもの口調に落ち着いてきました。
  • フルモーションのムーンティアラアクション。ちびうさ声でこれをやるのは初めて。リフレッシュじゃなくてクレンジングとか意味不明な言葉を残して消え去るカーディアン。これこれ。やっぱりバッサリ死なないと。カードが残されてエナジーが解き放たれる。第2話を思い出します。もはや懐古厨です。
  • ご丁寧に映像であいさつに上がるエイルとアン。「宇宙のさすらい貴族」とか言ってます。なんだそりゃ。貴族は普通流浪しないだろう。刑事じゃあるまいし。たしかに当時放送中でしたけど。
  • 我に返るように目に涙を浮かべ、「ふつうのうさぎちゃんに、バイバイ」とつぶやくセーラームーン。長かった再生第1話が終わり。なぜかここの尺が15秒くらいしかありません。ついさっきまでいつもの調子で威勢良かったところからこれなので、もうちょっとそこらへんの話聞きたいなあ、と思ったのですが、そういう誰が見ても同じ感想しか出なさそうなやつは全カットするのがこの番組らしいです。
  • エンディングは有名な乙女のポリシーに替わりました。

  • この番組は毎週サブタイトルの文字数が同じですが、今週は1文字少ない。予告を見ると来週も1文字少ない。メインタイトルのほうが1文字増えたので、それで減ったものと思われます。毎週職人芸のサブタイトル考え係の人がさらにつらいことになりました。
  • ところで、劇中では1年経っているはずですが、うさぎは1年前と同じ2年1組。サザエさん時空です。もしかしてここ、みんなが転生したんじゃなくて並行世界なんじゃないのか? コミックでは、ダーク・キングダム編が劇中で1年かかっていないので、合わせていくようです。
  • それで、ファンには常識かもしれませんが今さら気がつきました。第2話から「あたし月野うさぎ。14歳、中2」と言っていますが、春から物語が始まって、かに座のO型とも言っているので、放送開始時点では13歳のはずじゃないか。もしかすると、第6話から「かに座のO型」を言わなくなっていますが、そこらへんのツッコミがどこかから入ったのかもしれません。
  • そして今週のアバンタイトルでも、改めて「あたし、月野うさぎは14歳」と言っています。きっと誕生日で歳を取らないことにしているのでしょう。数え年と折衷してるのか?
  • ルナがうさぎに話しかけて逃がそうとしていますが、あれ、あのまま「はあ! しゃべった、猫が! 猫がしゃべった!」とか言いつつ素直に逃げて、事件も無事に解決していたとしたら、翌日ルナはどんな顔してうさぎに会うつもりだったんでしょう。すごく気になります。
  • BGMが大量に追加されました。目立つのは、カーディアンが通行人となるちゃんを襲ったときの映画音楽風のやつ。この番組のピンチや戦闘場面の曲は、もろにバトルとかドロドロというのではなく、ジャズっぽい感じで「事件」や「サスペンス」のイメージが強くて、それがこの番組の「東京の日常に入り込む怪事件」というプロットに合っていたと思うのですが、やっぱり曲が変わると似たような場面でも雰囲気が全然変わります。変身後に妖魔と戦うところはこれまでの妖魔のテーマ曲だったので、こちらはいつも通りの印象を受けます。逆に言うと、今まではそういう曲が少なかったので、ドラマの幅が広がりそうな気がします。