だって世の中だもの

セーラームーンの感想のみ

#6 守れ恋の曲!うさぎはキューピッド

ルナもうさぎにツッコむようになってきた。テープを小道具におしゃれな大人の恋。狙われた彼を助けて、オトナの世界に首を突っ込むうさぎ。これも視聴者の憧れの一つかもしれません。夜のカーチェイスに、大人っぽいBGM。オチも洒落ています。

サブリミナル超音波を流す作戦にジャズピアニスト雨出佑介の恋が巻き込まれる話。サブリミナル効果という言葉は昔からありますが、ちょうどこの時期脚光を浴びていて、『サルでも描けるまんが教室』で、まんがに取り入れる実験をしています。

MX 2022年5月11日再放送(放送開始30周年記念)

  • オープニングが一部変わりました。ベールを脱いだところでマーキュリーとマーズが顔出ししています。よく見ると、みんな当然ベールを脱ぐ前からコスチュームを着ているのですが、ベール越しには体のラインが見えています。ということは、夢の透視ベール!
  • 前説も少し変わって、蟹座のO型とかは言わなくなりました
  • サブリミナル超音波入りカセットテープが自律回転する絵からスタート。もうみんなカセットテープなんか忘れているか若しくは知らないと思うので無駄にツッコんでおきますが、描かれているリールの内歯の数が8本ですが、普通は6本です。
  • なるちゃんの部屋で大人を気取ってジャズを聴くうさぎとなるちゃん。第3話で「当時赤いCDラジカセなんてねえよ」と書いてしまいましたが、なるちゃんが持ってました。トップローディングの窓から見えるCDが、レコードよりはるかに高速に回転するところが、当時は新しかったんです。ここでもわざわざ、そこのアップから引くカットが入っています。
  • 「ふーん、雨出佑介」
    「渋いでしょー。きっと素敵なおじさまなのよ。デートしてみたいなー」
    「あたしはパスするわ」
    (向こうでお断りだってさ)
    心中でツッコむルナ。ついに見つけたセーラームーンに戦士の使命を説き続けること5週間、うさぎがどんな子なのかおおむね分かってきたらしいです。
  • 告白に挑む男が目指すJAMレコードのビルに、さっきのテープを持った妖魔が潜入。
    「このテープを流したオーディオは妖魔のウィルスに感染する」
    ちょうど、「コンピューターウイルス」なんて言葉がニュースなんかで知られ始めたころです。
  • 当時はまだギリギリ、始まったばかりの情報処理の授業とマニア以外はコンピューター(PC)に触ったことがない時代で、「コンピューターは、操作を間違えたり無茶な質問をしたり負荷のかかる計算をさせたりすると爆発する」というイメージでした。コンピューターウィルスも、アフロ18みたいに生物的な何かが電子回路を溶かすように食い荒らして……みたいな。
  • 告白相手のアキコさんが、誤って妖魔のテープを男に返却。テープを入れた「A walts for Akiko」のインデックス入りカセットケースが昔の厚手のタイプです。このころにはもう、カセット上下逆向きの薄型ケースもありましたが、今ではむしろ薄型が見られなくなってます。
  • 今週は、うさぎの部屋着以外の私服姿が初登場。傘もおそろいです。さらに傘にはうさぎのワンポイント入り。高そう、いやおしゃれ。
  • なるちゃんと別れてゲーセンに寄ろうとするうさぎ。時刻次第では入れないかも。1985年に改正風営法が施行されて、16歳未満は18時、18歳未満は22時以降に入店させられなくなりました。桜の咲く季節の宵の口ですから、ヤバいです。
  • 走ってきたさっきの男がうさぎに衝突。中2女子と大人の世界が交錯開始です。サブリミナルでうさぎの変顔。
  • おニューのお洋服を汚されてお怒りのうさぎ。さっきと目が一緒です。
  • 渡された名刺で、男が雨出佑介だと判明。怪物に襲われたらしい。妖魔の予感を放っておけないというルナと、大人の世界を知るチャンスを放っておけないうさぎ。おじさんとのデートには興味がなくても、そっちには興味津々です。
  • 雨出のライブハウスを訪れるうさぎ。雨に煙る夜の街の小さな大人の店の前にたたずむ少女と猫が素敵。
  • 子供と猫は風営法に引っかかりそうだし(猫は平気か)、かっこいい大人のミュージシャンに変装して入店。さりげなくかなりセクシーですが、ここまで髪型が変わるともはや別人に見えます。クリームソーダを注文するときのルナのリアクションがかわいい。
  • 妖魔が雨出からテープを奪還。車で追いかける雨出にうさぎも便乗。雨出の運転する車がフェンダーミラーです。当時すでに珍しかったはず。駐車場に並んでいる車を見返すとみんなドアミラーです。それに三角窓だし。わざと?
  • 雨出はあのテープがアキコさんあての自分のテープだと思っているので、相手が怖い妖魔であろうと執拗に追跡。運転が荒すぎて、うさぎが窓に張り付いてます。なすすべなくやるせない表情がいいです。
  • さきほど雨出が怪物に襲われたという会話の回想の中で、妖魔から逃げる雨出がやけに情けないのを見て、普通の人が妖魔に襲われたらああだよな、と思っていたのですが、テープがアキコさん宛てだとうさぎが図星をついたときにも似たような情けない声。このおじさんが変なだけだったようです。
  • どうしてしょれを!? という雨出に対し、「こう見えたって、あたしもオトナよ~、それくらいわからないでか」と、目論見通り大人の世界に首を突っ込むうさぎが楽しそう。主人公が中学生だと、こういう行動範囲の広いストーリーが書けるからいいですね。ルナから出るグルグルのSEが強烈。
  • 今週はジャズが小道具ということで、妖魔を追うシーンのBGMもジャズっぽい。チェイスシーンにぴったり。本当にこの作品のサントラはハイセンスです。
  • 車を降りるうさぎ。片腕でルナを抱く姿と伸びたルナが印象的なんですが、ドアに「ST LIVE」っぽい文字が。車種? デザインが古いのと関係が? と思って検索すると、ホンダのDioにそういうのがあったらしいですが、よく分からんかった。スタッフの遊びが好きです。
  • 作戦の続きでJAMレコードビルに戻る妖魔。ルナがテープを奪ってうさぎにパスし、うさぎが妖魔にテープをよこせと脅されて、うさぎがわかったと言って、後ろのルナがうさぎを一瞥する。そこから、うさぎがルナを見ないでテープを投げ、ルナが横取り成功。ツッコミを入れられるくらいうさぎが分かってきたのが役に立ってます。
  • カセットを壊されたので妖魔は退散。ルナが「うさぎちゃん」とだけ言って、うさぎも「うん」とだけ言って変身。お互いわかってきたみたいです。
  • 野外音楽ホールで妖魔を待ち構えるセーラームーンに、左右からスポットライトが当たる。オトナらしく美しい立ち姿ですが、妖魔が来るまでにせこせこ設営しているところを想像すると笑えます。
  • 「音楽を利用しての悪だくみ、これ以上は許さないわ! 音楽の父、ハイドンだって怒ってるんだから!」
    「お、音楽の父はバッハょ」
    「……言わなきゃわかんないわよ(小声)!!

    決めるところでツッコミに持っていくのがこの番組のセンスです。成績悪い割にはよくハイドンなんて出てきたな。最後、決め直すところでBGMがかかり直るのもハイセンス。
  • ちなみにアバンタイトルだと「音楽の父、バッハさんだって怒ってる!」って言ってます。当然この事件の後に収録するはずだから、ちゃんと学習してるという。
  • 妖魔の攻撃。ルナ曰く「一種の超音波だわさ」。「だわさ」。
  • それをマイクで拾ってスピーカーで妖魔に聞かせるセーラームーン。珍しく頭を使ったセーラームーンの、冷や汗ながら得意げなポーズと顔。6度目の事件で、慣れては来ててもまだまだ怖い。そんな感情が伝わるからへっぴり腰でもかっこいい。
  • 総合すると、かわいいしきれいだしちょっとオトナだし面白いしかっこいいです。これは売れざるを得ない。
  • 妖魔を倒して、雨出とアキコさんがくっつくのを陰から見届けるセーラームーン。描かれるのはここまで。そのここまでの事件が一晩で片付いたわけですが、門限とか平気なのか心配です。
  • 雨出の結婚のニュースを聞いて落胆するなるちゃんに、訳知り顔で雨出を語り、大人の世界を垣間見てきたことをそれとなく自慢するうさぎ。
    手に持つCDが、三日月の上に立つお団子頭のシルエットの絵で「雨出佑介 VOL 3 ムーンライト・レディ ~正義の味方のお嬢ちゃんに捧ぐ~」。そんな雨出の粋なはからいが映されて、このちょっと大人の話はおしまい。
  • と思ったのですが、VOL 3? 逆算すると、3がうさぎあてで、アキコさんあてが2で、最初に聞いてたあれはデビュー曲だったんか。
  • 次回予告で「キューティーうさぎ」。ちょっと前に美人女子プロレスラーキューティー鈴木がブームでした。