だって世の中だもの

セーラームーンの感想のみ

#13 女の子は団結よ!ジェダイトの最期

クビをかけてセーラー戦士に挑むジェダイト。物語の一つの区切りになるエピソードですが、もしかすると今回は、「うさぎたちを実在の東京モノレールに乗せてあげたい」という思いで描かれた話なのかもしれません。乗車中のシーンを見るとそう思えてきます。

MX 2022年6月29日再放送(放送開始30周年記念)

  • 今週の衛はイヤなことでもあったんか。
    「類は友を呼ぶ。割れ鍋に綴じ蓋。掃き溜めにゴミ。お団子頭に最低男」
    「ひ、ひどい……あたしの悪口なら仕方ないけど、元基おにいさんの悪口言うなんてえ」
    それまで強気だったうさぎが泣き出す理由が優しいです。

  • 羽田飛行場の出発ロビーには警備の警官だけ。実在の羽田空港の国内線ターミナルは5:00から24:00の営業です。また当時は、国際線はほぼすべて成田から飛んでいます。
  • 羽田に向かうためにモノレール浜松町駅を訪れるうさぎたち。当時はまだ京急空港線は開業しておらず、直通バスも多くなく、羽田に行くならモノレールという時代です。
  • モノレール浜松町駅がやたらリアルです。ホームは2022年現在でも、奥の駅長事務室とかこんな感じです。「AMA OKINANWA」の看板のところは、現在は発車案内になってます。普段から元ネタを感じられる背景が多い番組ですが、ここまで露骨なのは珍しい。
  • 車両に乗り込むうさぎたち。おそらく1989年運転開始の1000形です。この車両は2022年の今でも運転されています。2024年までに新型に置き換えられる予定らしいので、乗るなら今のうち。車内もリアルです。
  • 乗車中のうさぎたちの、現実感のある映像と、サスペンスフルでありながら、ちょっと子供の探検っぽいBGM。人の寝静まった深夜に貸し切りのモノレールで連れていかれる不安がとてもよく伝わってきます。表情やBGMだけでなく、やたらリアルな、それもただのリアルではなく実在のモノレールというのが、そうさせる気がします。

  • ジェダイトに正体バレ。「正体ばれたら最終回」というのは普通ですが、「正体知ったら最終回」です。死亡フラグの一種ですか?
  • 「花の命は短くて、苦しきことのみ多かりき。お前たちの命も今日限りだ」
    ルナが最初のほうで「うさぎの恋は海の泡沫(うたかた)、儚く消える」とか言ってるし、今週はみんなおセンチです。
  • 「あたし達には使命があるの。死んでたまるもんですか」
    この番組でセーラー戦士から「死」の言葉が出たのは初めてじゃないでしょうか。第4話のうさぎの「死ねええ」はおいといて。モノレールに乗る前のレイうさのけんかを止めたときも、いつもよりきついトーンでした。今週のマーキュリーにはなにか覚悟のようなものが感じられます。
  • 「やだやだ、車に轢かれるならまだしも、ジェット機に轢かれたなんて恥ずかしくて言えない」。車に轢かれるのもたいがいですが……。
  • タキシード仮面登場。そういえばクインベリル様は今週ジェダイトに「セーラー戦士を抹殺せよ」と言ってますが、タキシード仮面はいいんでしょうか。こいつ、バラ1本で飛行機を止める実力者ですよ?
  • 冗談ではなく本気でセーラームーンにおとりを押し付けるマーズと、おとなしく言うとおりにするセーラームーンと、無視してシャボンスプレーに行くマーキュリー。仲良くしてみたり、仲間割れしてしてみたり、信頼し合ってみたり、いそがしい二人です。
  • マーズが「タキシード仮面様は?」と言い出したのを皮切りに、セーラームーンとマーキュリーも「様」を付け出す。いままでは敬称略が多かったはずです。気になって見返してみたら、やはりさっき水に落ちたところまで敬称略がほとんどでした。
  • 自らの飛行機の餌食になって退散したジェダイトが、よりによってクインベリル様の前に出現。どうするジェダイトジェット機に轢かれたなんて恥ずかしくて言えないぞ!
  • 水没したタキシード仮面を「いつまで見ててもキリないわ。悲しいけどあきらめましょ」と割り切るルナ。彼女らにとってはまだ、どこから来てどこへ去るのか、人なのか幻なのかもわからない。消えたらそれっきり。少女を戦士に導く役目のルナと、割り切れずに涙を浮かべる少女たちとの対比が描かれています。
  • 新しい敵幹部を迎え、初使用のいかにも大団円で明日に向かって的なBGMに乗り、空飛ぶタキシード仮面を見送りつつ2クール目へ。3人の息も合ってきました。次回以降、しばらくサンバルカンが続くのか。それともすぐジャッカー電撃隊になってしまうのか?