なるちゃん愛のキャラの独り歩きクライマックス。なるちゃんこの後どうするんだろうと思ってたら、次回は急にまこちゃんの話。うれしいですが、その次が気になるわ。
これが放送されたとき、「流石平成! タイトルでネタバレやないかい!」というツイートを見かけました。いや、そんなこと言ったら、サブタイトルは本質的にネタバレですし、死ぬだけならどこの番組でも誰か死ぬわけで(えぇ……)、大切なのはどう死ぬかという話です。
そういうことで、初見ですが、いやでも情報が入ってくるので、ハンカチは用意しておきました。「ネフライト号泣!なるちゃん愛の死」ではないので、なんとか大丈夫だと思います。
MX 2022年9月14日再放送(放送開始30周年記念)
- ネフライトをあきらめるようなるちゃんを諭すうさぎ。恋するなるちゃん、「どんなに悪い人でも、好きなんだもん」と恋のド直球。さらに「うさぎ、好きな人いるんでしょ」「だったらあたしの気持ち、わかるはずよ」と変化球でうさぎを追い込む。うさぎもそれ以上は言えない。しかしなんだか、うさぎの好きな人を悪い人扱いみたいな言い方です。自らの恋を正当化するためなら詭弁も冴える。
- 先週のなるちゃんの捨て身の愛が気になるが、気にしないことにするネフライト。セーラームーンがなるちゃんの名前を呼んでたので、OSA.Pへ夜這いをかける。まずはなるちゃんが銀水晶を持ってないかどうか黒水晶でチェック。
今週の視聴者サービス: なるちゃんを透視。 - カーテン越しの大まかな影だけで三条院だとわかるなるちゃん。先週あんなのを見ましたから、夜中にベランダに侵入する不審者=三条院様でダイレクトにつながった模様。
- セーラームーンの居場所を聞き出そうと、自らの名を明かし、自分の組織を悪しざまに言って寝返りたいフリをするネフライト。「私がこれまでいた悪の組織に愛はない」。BLでよければありますよ?
- 知らないものは知らないので、ネフライトに謝るのと自分を責めるのとで涙するなるちゃん。帰ったふりしてなるちゃんを見張るネフライト。傍受するゾイサイト。そのままネフライトがなるちゃんとくっついて寝返ったと勘違い。普段から愛し合わないからそうなるのです。もっと愛し合うんだ。
- やはりどうしても役に立ちたいので、夜中だけどとりあえずうさぎに電話。三条院様がセーラームーンの居所を探していると正直に伝える。この時間帯からも、なるうさの仲の深さがわかります。
- うさぎん家の電話のそばに「2年1組連絡網」。当時はトーナメント表みたいな連絡網表が必ず貼られてました。隣に亜美ちゃん家とレイちゃん家の番号も貼られてます。電話するところはここしかないので、これでいいのです。
- うさぎのパジャマの胸元に何かがチラ見えしているのが気になる。
- 驚いて大きな声を挙げ、手を口で覆ううさぎ(レア)。
- なるちゃんが狙われてると判断して、なるちゃん家に走って向かううさぎとルナ。前々から思ってたんですが、セーラー戦士の移動手段は徒歩しかありません。ルナはなんとかしないのか? とはいえ、バイクに乗ったり空を飛んだりするのも違う気がする。
- 珍しくAパートから変身したら、マーズの変身ペンから♂が出てくるときの音に乗ってネフライトが出現して、正体バレ。なるちゃんがうさぎうさぎ言ってたのを聞いてたわけですが、それだけでなぜここがわかった? なるちゃん家にも連絡網は貼ってあると思いますが、住所までは載ってないだろ。
- そういうことでまんまとセーラームーンの正体を割り出したネフライトですが、もしかしてネフライトも、ジェダイトに続いて「正体知ったら最終回」にはまってしまったのか?
- ネフライトに秘密保持をおねだりするセーラームーン。先週知り合いになったからって友達かお前は。このカット、ネフライトに頭を下げるセーラームーンに目が行きがちですが、ネフライトが手にギャグ汗をかいてます。
- ネフライトに消されそうになって逃げるセーラームーン。「うわー」はいいけど「グエーッ」って言ってる。オシシ仮面かお前は。
- なぜかなるちゃんの助けを求める声が聞こえたネフライトがそっちを優先して退散。なるちゃんと言えば、第1話でもセーラームーンが危機を察知してますし、先週もセーラームーンが迷わずなるちゃんの居場所に着いてます。この子、ピンチになると怪人たちが受信できる謎の電波でも発してるのか?
- 「正体がバレてもくじけるんじゃない。さらばだ」。鬼のように無責任な励ましを残して立ち去るタキシード仮面。そいつに顔を赤らめるセーラームーン。このレベルなら、ネフライトへの愛を止められないなるちゃんの気持ちも分かろうというもんです。
- ここまでで普段のパターンはやり終えてしまったので、おそらく残り時間ぜんぶネフなるです。思った以上にヤバそうだ。
- ゾイサイトの手下の妖魔がなるちゃんを監禁。監禁場所の「RAG TIME」とかいう廃店舗。ビリヤード台のようなものがあるので、プールバーだったと思われます。80年代後半にプールバーブームが来て、廃ゲーセンが全部プールバーになって、そのまま全部廃プールバーになったことがあります。
- セーラームーンよりなるちゃんを優先したネフライト、妖魔を圧倒してなるちゃんを奪還。なぜかトドメを刺したり縛り上げたりはしないあたり、さては最初から優しい人だった疑惑。
- 逃げる道すがら、今まで嘘をついていたと正直に白状するネフライト。ネフライトにとってなるちゃんは、彼女の部屋に向かった時点ですでに、銀水晶の持ち主でもなければセーラームーンの情報源でもないので、嘘をついて利用する必要のある相手ではなくなってます。とはいえ、べつに白状しなければならない相手でもありません。
- 公園に避難して、ネフライトの傷を手当てするため、アニメやまんがでよくある?口でパジャマを引き裂くなるちゃん。これは実際にやろうとするとかなり大変です。握力のほかに、ロープをかみ切るラナちゃん並のあごの力が必要かもしれません。
- ここからのチョコレートパフェのくだり、なるちゃんの無垢な投球術がすごい。ただ素直にしゃべるだけで、次々にネフライトから空振りを奪っていく。なるちゃんを助けた行為の意味から目をそらし、自らの抱いた愛を悪の誇りで偽り続けようとした男ネフライト、まったく抵抗できません。されるがまま素直になっていく。トドメにギャグで笑わされ、あえなく善堕ち。最後の抵抗で三段笑いを試みるも腰砕け。ダークキングダム四天王、中2に完敗です。すっかり腑抜け初めて知った人の愛。
- 当然こんな幸せな人に明日などあるはずもなく、追いついた妖魔が二人を襲い、ネフライトにトゲが刺さる。人の愛のやさしさに目覚め、なるちゃんを逃がそうとするネフライト。トゲを抜こうとするなるちゃん。声を振り絞って逃げろと怒鳴るネフライト。自らを顧みずトゲを握るなるちゃん。力なくもういいとつぶやくネフライト。なるちゃんもういい、お前は頑張った! トゲを抜いた拍子にわずかな笑みを浮かべ、泣き叫ぶなるちゃん。トドメを刺す妖魔。身を盾にするネフライト。転がり落ちる黒水晶。なんとか致命傷で済んだ。「好きな女と一緒に死ねるなら本望でしょ」と皮肉を放って黒水晶を奪い去るゾイサイト。うーん裏切り者の名を受けてすべてを捨てて戦ってもダメなことってあるなあ。
- やっとセーラー戦士が到着。さっきまでの悲壮なBGMで泣かされているところに急に変身テーマという逆転でまた泣ける。マーキュリーとマーズはようやく出番。今週はネフなるに尺を全部回したので、先週みたいにちょろっと顔見せもありません。変身後しか出てこないのは初めてです。
- 「火星に代わって折檻よ」ってここですか。このフレーズは知ってはいたのですが、知ったのが「ルパン98」(1993年)のReadMe中の例文という……。妖魔はさっくりおしおき。
- 白み始める夜空。怪人たちの時間もそろそろ終わりです。ネフライトを抱き支えるなるちゃんと、遠巻きに見るしかない3戦士。口を開くのもつらいネフライト。それでも悪を貫くセーラームーンへの皮肉「お前の正体、バレずにすみそうだぞ……」。このピカレスクなハードボイルド。こんなニヒルで洒落た減らず口叩いて死にたい。
- ここ、ネフライトに呼ばれたセーラームーンが「はい」と返事します。一瞬おかしな返事に聞こえますが、よく考えると、善堕ちした年上っぽい敵の幹部から名前を呼ばれたら、「え?」でも「あ?」でも「なに?」でもなく、「はい」くらいしか返事のしようがないかもしれません。そんな言いようのない間。
- なるちゃんにも皮肉交じりに嘘を詫びるネフライト。しかし最後の一言だけ嘘じゃないのです。
- これまた皮肉にもゾイサイトの言うとおり、なるちゃんに巡り合えた幸せを最後に伝えて光になるネフライト。惚れさせて先に逝く相手に甘えるように慟哭するなるちゃん。敵の死に涙する3戦士。これ、なるちゃんの声の人、ガチ泣きしてませんか? この人は以前からうまいと思っていたんですが、迫真と言うには感情が溢れすぎています。そう聞こえてしまうと、涙が口のそばを伝うのが、もうよだれにしか見えません。絵にまでガチ泣きされたら、見ているこっちももらい泣きです。
- そして幹部が2人連続で入手したセーラームーンの正体という特ダネは、またしても闇から闇へ消えました。またすぐバレるだろうから諦めるな!
- 余韻を残して終えた結果、マーキュリーとマーズが、決め台詞と叫び声と技名と今よ! くらいしかしゃべらせてもらえませんでした。
- ルナとタキシード仮面なんか、泣かせてももらえませんでした。
- 「夢の中ふたりでいたよね 星たちに守られて」ってホントですね。守られてというのがポイント。誰かを守りたくなったり、その人に守られたくなったりすると、幸せになりますから。この番組のテーマそのままです。
- 「恋するとなにかがかわるね」ってホントですね。どう変わるかはおいといて。
- だけど「星たちに守られて」とはいえ、複雑なのはセーラームーン。現場に遅刻したせいで、ネフライトを、というかなるちゃんを守れなかったのです。その涙は痛恨の敗戦なのかもしれません。
- そしてまこちゃんキター!! アップだとはっとさせられますよね、この子は。
- ということは、3人での物語は今週でおわりです。早くまこちゃん出てきてって思ってたのに、いざそうなると名残惜しくて寂しい。それぐらいこの3人は名トリオ。夢ランド、クルーズ船、モノレール、神社の境内、ペンション、どれも大好きです。
- 「火星に代わって折檻よ」をルパン98で知ったという記憶を確かめるため、LUPIN.DOCを解凍して読み直してみました。たしかに、この例文が見つかりました。そして今回の読み直しで気づいたのが、「おなかのラッパがプ~」という例文もあります。この作者、骨の髄まで冒されてやがったのか……と思って作者を確認したら、マーキュリー規約のこうのたけし氏ではありませんか。どおりで。当時いかにセーラームーンがその筋で流行していたか、改めてわかります。