だって世の中だもの

セーラームーンの感想のみ

#176 ファイターの正体!衝撃の超変身

あかねの声が響子さんという、狙ったとしか思えない話。スリーライツがミュージカルに挑戦。星野の性格を描くことで、うさぎの心の変化が描き出される。意外に大盛の回。

YouTube 2023年5月14日(劇場版公開記念)

  • うさぎ、死をも凌ぐ人生最大のピンチ、数Ⅰの小テスト。うさぎのシャーペンになりたい。でもよく考えたらうさぎも、追試までにこういうのの最低30%は正解できるわけです。高校生ってすごい。
  • その後ろで唸る星野。「アイツもかなりピンチみたい」。でた、「アイツ」呼び。かつて衛のこともアイツと呼んでいました。食パン遅刻少女はロッカー転校生をアイツと呼ぶ習わしです。
  • どうでもいいけど、第174話では机が2台ずつくっついていましたが、1台単位になっています。あんまり高校でくっつけないでしょ、とか言われたのかな。
  • 追試仲間の美奈うさ。かつて仲間だったまこちゃんは「まあ、1年くらいダブってのんびりするのもいいかもよ」と余裕。なんか、シリーズを重ねるごとにキャラが薄まっていく……。初登場時代の衝撃のインパクトが好きだったのに。
  • 「ほーミュージカル。ってすごいの?」とミュージカルに興味なさげなうさぎに力説する美奈子ちゃん。「そりゃーもう。歌って踊ってお芝居まで」というところで美奈子ちゃんの猫耳が見られます。

    1996年にはまだ猫耳はそれほどメジャーではなかったかもしれません。たとえばフィンローダの格言ページで、1999年に猫耳の説明をしているのが残っています。
  • 16点の星野をお勉強会に誘いに湧いて出る留美子指レイちゃん。「受験なかったくせにレイちゃんは」とツッコむ美奈子ちゃんの足をしこたま踏みしだく、第26話の亜美ちゃんつねりの再現。美奈子ちゃんが壊れる前のハジケ担当兼男好き、久々の復活。
  • 星野たちのミュージカルの稽古を見に行く美奈うさに追随するまこちゃん。にらむレイちゃんへ去り際に「レイちゃん、かぶった猫脱げてるよ」。あまり意識しませんが、レイちゃん、第26話でセリフを取られて以来、まこちゃんが妙に天敵です。白雪姫のおっぱい対決も負けてたし。
  • 最後に亜美ちゃん。「レイちゃん」と、アニメ回(来年は中学3年生よ)みたいな出だしから「参考書、使う?」亜美ちゃんもぶっ壊すスリーライツの魅力とは!?
  • 全員で稽古見物。「こうしてると、アイツ、結構カッコいいね」。うさぎはアイドル星野光に興味がない分、単なるイヤなアイツとして色眼鏡なしで見てしまいます。やばい。ヤバいぞまもちゃん。
  • 「どこがダメなんだよ!」「ダメなものはダメなのよ」。こういうの昔から超苦手。しかし監督も伝家の宝刀「それでもプロなの」。前回プロのなんたるかを語ってからの流れでこれだと降参です。
  • 「ほとんど目の敵だぜ」と愚痴る星野を見て、「なんか反りの合わない相手っているのよね〜」と、うさぎからケンカを売る。今回はキャラの再紹介回か? 二人の「ちがうわ!」までが第25話のセルフオマージュ。美奈子ちゃんが壊れるまでは(以下略)。
  • あかね監督の実体はどうやらレイちゃんの学校のシスターアンジェラ。監督も自分の学校の制服がいるんだから気を付けようよ。全然関係ありませんが、当時アンジェラと言われると豪血寺一族であって、あれのクララはうさぎが声を当てているという。
  • 「STAGE芸能」であかね監督の記事を見つける根津。その記事の下に「私もやせた!!」という広告が。前回読んでいた「週刊WOMEN」の表紙にも「激やせ」があります。気にしてるのかな。
  • ちなみに記事は以下。これの後半を根津が読んでいます。

    いよいよ来月に迫った話題のミュージカル。スリーライツが初挑戦の舞台ともあってファンの期待は高まるばかりだ。その内容は依然何も公表されていない。これは全て監督とスリーライツの意向ということなのだが、その監督とは‥。監督の具志堅あかねは今、最も注目を浴びる舞台演出家。だがそのプロフィールは厚いベールに包まれ、彼女の素顔を知る者は少ない。はたして彼女は何者なのか!?

  • 鞄から黒電話を取り出す根津。実は携帯電話だった。調べてみると、放送から8年後の2004年に実物の黒電話型携帯電話が発売されているようです。レトロギャグのつもりだったのが時代を先取りしすぎていたという。
  • TA.女学院に忍び込むうさぎと星野。警備すごそうだけど大丈夫かとか、第54話の文化祭のときと全然建物違うじゃねえかとか、T・A女学院とどっちなんだよとか、そういうのは置いといて、星野はともかく、なんでうさぎはついてきた。やばい。ヤバいぞまもちゃん。

  • 歌うときみたいな訴える力が稽古で出ていないと見抜かれる星野。「やっぱり、あんたのことキライかも」。別に1回もやっぱり好きだと言ってないのにこれ。こいつも愛情表現がひねくれてるタチだ。
  • わざとらしい夕焼けの中を一緒に帰るうさぎと星野。星野に興味津々のうさぎ。衛と燃える愛を育んできたうさぎにも、こういう男子は初めてのはずです。ていうかうさぎは、もしかして男性を愛したことはあっても恋をしたことはないんじゃなかろうか。
  • 「あんだけしごかれて、言いたい放題言われても、まーだ練習行こうって思うかね普通」。「〜かね普通」って、もしかするとこの時代から言い始めたかも。「あんたって、マゾ?」とも。高校生ともなると語彙も広がってきます。
  • 「お団子はさ、彼氏いんの?」「……いるよ。遠い、海の向こう」「……じゃ、俺にもチャンスあるな」。やっぱり愛情表現がひねてる。ていうか気あんのかお前! いるって聞いてからしばし考えて発言してます。冗談めかしてどうとでも取れるようにほのめかすにはどう言ったらいいかフル回転したな?
  • 「へ?」「じゃな」「てええ、ちょっとあんた!」「追試、明日だよ?」「わかってるよ」「なんだろねえ、アイツ」。赤面するうさぎ、話題を変える。それも気になりますが、他の生徒が大勢います。学校で噂されたり暗殺されたりしても知らんぞ。
  • やる気で稽古に来る星野。「なんでも完全燃焼しなくちゃ気が済まなくってね」「ふ、半端な芝居したら切るからね、主役」「どうぞ、俺より輝いてるやつがいるもんならね」。前から自信家でしたが、情熱家でもあるらしい。そんなのが女の子に興味を持ったら。
  • その芝居の様子まで見に来るうさぎ。「心配ないか」。視聴者はお前が心配だ。
  • 「うんにゃ、すっごく心配」。ほらレイちゃんも来たよ。ただしこっちは追試の心配。今日二人に起こったいろいろは知らない。しかし耳を掴んで引っ張るというのは見たことないような気がします。前回で大ちゃん涙は卒業したかに思われたうさぎ、今回は披露。
  • ここ、鞄がうさぎの足下に置かれていたのに、部屋の中から飛んできたように見える。よく観察すると、うさぎが足でけり上げたということのようです。今回は掘り返すと濃くて重要な話ですが、スタッフもノリがよかった模様。
  • スタジオの音と街の雑踏をかぶせてガヤレベルで、「星野のことはあたしが見といてあげるから」「あーレイちゃんずるい」。おい! スタッフもわざとらしく思わせぶりな演出でうさぎにさらっとすごいこと言わせたぞ。
  • 襲撃されるあかね監督。駆けつけた星野、「監督!」の次は「あかねさん!」呼び。ファージと化した監督に絶叫。自分たちではファージを元に戻せない故の絶望。
    選曲は遠く無印から。なるちゃんがネフライトの棘を抜いたとき、ルベウスが見捨てられたとき、敵味方幾多の悲壮を描いてきた遠い曲。
  • そんなつらいシーンなんですが、セーラーディレクターの奇声をあかね監督が当てているのかと思うと、特定の世代の視聴者は笑い涙が止まりません。
  • 「闇を切り裂くさすらいの流れ星、セーラースターファイター、ステージオン!」ついに正体お披露目。何の説明もなく女体化しました。こっちが正体と思われますが、それでうさぎにあんなこと言ってんのかよ! こういうのもレズビアンというのだろうか?
  • 「むやみに攻撃するのは許せない」とセーラームーン。この子たちも妖魔をリフレッシュさせるために痛めつけて「だいぶ弱ってきたわ」なんて言ったりしてますが、それは別の話。まだお互い正体を知らないので、ここからは今までの展開とは別の話です。
  • 「あなた達にはわからないわ。あたし達の苦しみが。故郷を捨て、生き永らえてしまったものの悲しみが!」
    さりげなく設定を話して押し切ろうとするファイター。セーラームーンが「ダメ!」と叫ぶと同時に、ファイターに向け矢を番えるマーズ。

    もうセーラームーンが言いたいことを以心伝心で分かってて、なおかつ汚れ役を買って出てます。今までで指折りかっこいいシーン。マーズは矢を得てから変わった気がします。ハイヒールのセーラーコスチュームがより似合うようになった。
  • 「セーラー、ムーン……。あたし達に必要なのは、この輝きなのかもしれない」。大切な人が救われた、その僥倖に魅入られるファイター。でも、前回サキとセーラーゲキシャの現場にもいたんです。見とけよ。
  • 「また、会えるよね」。さっそくすべてを包み込もうとする、優しさ怪人セーラームーン
    「あたし達の敵でないことを祈るわ」。ほらすぐ伝染するんだこの子の輝きは。
  • しかしそうはいっても、これまでは女性と王子様しかいなかったうさぎの世界に、世を忍ぶ仮の姿とはいえオトコが入り込んできた今、このノリにもなにかほんのわずかな違和感を覚えます。
  • 追試で98点の星野。裏切り者はいつもいる。
  • 「完全燃焼、しなくちゃな。俺たちのメッセージが、あの方に届く日を信じて」と心でつぶやく星野。その脳裏に映るあのお方を上書きしてセーラームーンが。大丈夫かお前のスターシードはそんなドス黒くて。